【完】運命は罠と共に

『患者じゃない』

その言葉が私には嬉しかった。



だって、田中さんを好きになってしまった時、立ちはだかった大きな壁だっただから。



決して越えてはいけない、決して壊してはいけない壁。



私の誇りが壁となって、とても苦しかった。



その苦しみの終わりを告げてくれた気がした。