意地悪なアイツ【完】



アハハと無邪気に笑う唯。
その笑顔が愛しくて何故か心が安らいだ。



時計を見たら12時を回っていた。

『遅い時間なのに何でいるんだよ』

俺は缶を開けながら聞く。


「あー眠れなかったの…」

『そっか…』


長い沈黙が二人を包む。

でも、悪くない。
なんか…凄く落ち着く。

このまま時間が止まってしまえば、
と思うのは俺だけだろうか…


「あのさ健人って好きな人いるの?」

突然、唯が口を開いた。
しかも恋の話…


俺は天井を見上げ

『さーな』と言う。


きっと…てか好きなやついるけど
照れ臭くって正直な答えを言えなかったんだ。


「ふふっ」

『なんだよ』

『また同じこと言ってるなーって思っただけ!!』


視界が天井から唯に変わった。