意地悪なアイツ【完】




ガサガサガサ


『はい』


俺は愛美に八ツ橋を2つ渡した。

無言で食べる…

何はなそう…
そう考えながら愛美を見ると…



『…ックク』

俺は愛美の顔を見て思わず笑ってしまった。

こちらを振り向いた愛美は

「なに人の顔見て笑ってんのよ」

ムッとした顔で怒っている


『だって愛美の口の横に…アハハ』

「何よ!!」

愛美はそっと自分の口に手をやった。


「あっ」

口についた餡にようやく気付いたようだ。

「もー!早く言ってよばかぁー」

と愛美は笑いながら俺を叩く。



『やっと笑った』

「へっ?」

『愛美、清水寺から一回も笑ってなかったからさ』


一瞬、愛美の瞳の奥が揺れたようにも感じた。

『ありがとう』

少し頬をピンク色にして言う。



見つめあう俺達。

『あのさ…』

そう言いかけた時