意地悪なアイツ【完】



結局痛みに負けた私は
健人におんぶしてもらい旅館まで運んでもらった。


『転んで怪我しました』

先生にそう告げると私だけ連れ去られ、
一室に入り手当てをしてもらった。

大きな湿布を太ももと手のひらに張ってもらい
私は一礼をして室内を出た。



『ありがとうございました』


ドアを閉めて振り返ると
壁にもたれ掛かって腕を組んでいる健人がいた。

無言で私を見つめてくる。
どんどん私の鼓動が速くなるのが分かった。



「なんか登校初日を思い出すな」

健人はニカッと笑い出した。


そういえばあの日も怪我したんだっけ(笑)
すごく痛かったんだよな~


『よく覚えてたね(笑)』

「当たり前じゃん
唯の間抜けな顔が俺の脳内に焼き付いてるからな(笑)」


なんてまーたからかってきた


『あっ』

不思議そうな顔をして私を見る。


『私まだ健人のタオル返してなかった…よね…?』

「そーいえば返してもらってないな」

私の顔をじーっと見ながら目を細めて言う。