意地悪なアイツ【完】




ー1年前ー


登校初日に私は寝坊をしてしまった。


『何でお母さん起こしてくれないのー
お陰で初日から遅刻じゃん!』


ちゃんと起きられなかった私が悪いのに
八つ当たりをしてしまう


「ごめんねー
お母さんも今起きた所だからさー」

優しい言葉で返してくれるお母さん。



私はバタバタと用意をして
ボサボサな髪の毛で家を出た。


『いってきまーす!』


猛スピードで学校まで走りクタクタになりながら校門に入ろうとした瞬間。



ドンッッッッ!!!


誰かにぶつかってしまった。


『いった!!どこみて…』



あたしは言葉につまった。

顔を上げるとそこには綺麗な顔立ちをした男の子が心配そうに顔を除きこんでいた。


「ごめんなさい大丈夫ですか?」

優しく声を掛けてくれる彼。