意地悪なアイツ【完】



『はぁ』

あたしは思わず溜め息をついてしまった。

何であたし溜め息なんかついてるんだろう。



「なに吉田の事考えてるの~?(笑)」


いきなり愛美から吉田健人の事に
触れられたあたしはビックリしてしまった。



『かっ考えてなんかないよ!』


「へぇー
なら何で溜め息なんかついてるのー?

これのせいでしょー?笑」


愛美は私の握りしめている物を指差して笑った。



『うん…(笑)』

「早く返してきなよ!」

『返す勇気があったらこんな苦労しないんだけどね(笑)』


苦笑いしながら私はタオルを見つめた。