意地悪なアイツ【完】



『そうだったんだ何かごめんね』


あたしは申し訳なさそうに言う。


「それは全然良いんだけど、お前凄い形相で走って来たからビックリしたよ(笑)」


笑いながら話す山田に
私はひきつった笑顔で返した。


「お前何かあったのか?」

笑っていた山田が急に不安げな顔をして
私の顔を覗きこんだ。


『んーん何もないよ!!
ただあそこお化けでそうで怖いじゃん(笑)』

あたしは下手な嘘をついた。


そっか…と言う山田と何度も頷く愛美。

二人は何かを察したのか
それ以上何も聞いてこなかった。



そのあと文化祭の事を話して
山田から衣装を借りる約束をした。


帰り道

珍しく今日は一人での帰宅。

いつも一緒に帰っている愛美は
用事があって一緒に帰れなかった。


“めんどくせぇ”

フラッシュバックのように
あの光景を思い出す。


『あれは健人じゃない何かの聞き間違いだよ』


あたしは自分自身に言い聞かせるように
何度も呟いた。