意地悪なアイツ【完】



話を終えたのか一人の女の子が振り返り
もう一人の女の子に笑顔で何かを話している。


二人はうさぎのようにピョンピョン跳ねながら
やったねーと言っていた。


鈍感なあたしでも分かる。

話をしていた女の子はきっと
健人か龍どちらかが好きなんだ…。



『やだ…』

雨の音にかき消されそうなほどの
小さな声で呟く


どうしてあたし、こんな事思ってるんだろ…

張り裂けそうな気持ちを抑えて
教室に向かった。


「……じゃん」

んっ?龍の声…?


私はそこで立ち止まり耳を澄ませた。

盗み聞きをするつもりじゃないけど

なんか今はこの教室の中に入ったらいけないと思ったんだ。



その時


「まじめんどくせぇ」

えっ?

低くて怖い声が雨と一緒に聞こえた。
明らかに声が龍と健人じゃない。


じゃあ誰がいってるの?
気になったあたしは角から出て、入り口に立った。