意地悪なアイツ【完】




帰り道


私はお母さんの車の後部座席に座って
ボーと外を見ていた。




私、目が見えなくなっちゃうんだ…。


大好きな花火も

大好きな家族の顔も

大好きな健人の笑顔も


見れなくなっちゃうんだ。



健人の笑顔が浮かんだとき
今まで堪えていた涙がとめどなく溢れてきた。

私の頬を伝って
どんどん制服に染みを作っていく…




「降りる?」

運転席から聞こえるお母さんの優しい声。

窓の向こう側を見ると
私がよく来る川が見えた。


『ごめん…』


そう一言いって私は車から降りた。