意地悪なアイツ【完】



俺たちはそのあとトイレを出て
このまま教室に行くのはまずいと思い、

俺が所属しているサッカー部の部室に行った。


ストーブをつけ、
温かくなるのを待っていると



「もう無理だよ…」

後ろから聞こえた弱々しい声

その言葉に何か返そうと思っても、
何と言ったら良いのか分からなくて
言葉につまった。



「へへっ
やっぱり山田も私のこと嫌い? 」

『なに言ってんだよ!

嫌いなわけねーだろ
てか、何でそんなこと聞くんだよ』


『なんでかな…
いじめられているからかな? 』


その言葉と一緒にみせた笑顔が切なくて、
胸が締め付けられた。



『何でこんな事になっちゃったのかな…

あたし、悪いことしたのかな…』


独り言のように喋る唯の表情は、
いつも見せてくれる元気な笑顔ではなかった。

全身から放つオーラも
いつもは淡いピンク色やオレンジ色…


でも今は、
どす黒いと言った方がピッタリだろう。