意地悪なアイツ【完】



やっぱり男のトイレに比べたら作りが違う。


個室がたくさんあって、
どこかウキウキしてしまう俺


その中で一際目立つトイレがあった。

ほうきが斜めにドアに立て掛けてあって、
その前には散らばった水と無造作に置かれたバケツ。


そして


「グスンッ グスンッ」


すすり泣く声が聞こえた。


『唯か? 』


そう尋ねても向こうからの返事はなく…
ただただ泣き声しか聞こえない。

俺はドアに立て掛けてあるほうきをどけて、扉を開けた…。



『ゆ…ぃ…!?』


そこにいたのは、
全身ずぶ濡れで震えている唯がいた。

俺はすぐさま上着を脱ぎ、唯の肩にかける


それでも収まることのない震え…


『大丈夫だよ、俺がいるからな…』


肩をさすりながら言う俺に
泣きながらも必死に頷いてくれる唯。