意地悪なアイツ【完】




俺はベランダに出て下を見た。


前より白く細くなった愛美が正門に向かって走っている。

そして、正門には黒い車。
その車に向かって愛美は手を振っていた。


『はぁ』

また大きな溜め息。

一つ一つ幸せが逃げていく…



『悪い…俺先に帰るわ』

「えっ今からファミレス行こうと
思ってたんだけど」

『ごめん、俺パスで』

そう二人に言って俺は教室をあとにした。




ボーっと空を見上げながら
青信号になるのを待つ…。


薄いオレンジ色の空に白い雲。

横を見れば、
早く渡れよと言わんばかりに
ウインカーを点滅させる車。


あっ青になってる。

俺はその車に一礼をし小走りで渡った。



いつもだったら清々しい気持ちになるけど
今日はなんだかモヤモヤする

そして、また空を見上げながらボーと歩く。


『この空綺麗だな…』

あまりにも空が綺麗で声に出してしまっていた。