聖域〜サンクチュアリ〜



母が俺に勉強しなさい、勉強しなさいと言っている横で、味方である父はいつも俺の肩を持ってくれた。

まだまだ将来のことなんてそう切羽詰ったものを感じることはない、今は令央がやりたいことを思いっきりやればいい______。

そう、母と俺に言って聞かせた。

このとき俺は小さいながらに、父のこの言葉をよく理解した。
同時に、母が自分に大きな期待をかけていることもなんとなく感じていたが、勉強よりも好きなことを思いっきりする方がずっといいと思っていたし……まぁぶっちゃけ、スポーツできる男子のほうが女の子からの定評があるということを知っていたこともあって、俺はサッカーを選んだ。


けれど、ある怪我が原因で俺は半ば強制的にサッカー……否、スポーツ全般をほぼやめさせられることとなる。