桜並木の下で 下 ~十月から三月~


 翼SIDE


 何なんだよ、奈美の奴。



 俺は奈美を睨んだ。



 なんで苛められて平気な顔してるんだよ。



 ツラいなら、ツラいくらい言えばいいのに。




 なんで誰も頼らねぇんだよ。




「これ、消えるかなー」


 奈美が筆箱をあさりながら。


「あ、よかったー。消える消える」



 …。