桜並木の下で 下 ~十月から三月~






 ゆっくり歩いていると、学校の近くにある桜並木が見えてきた。




 もう、そんなに歩いていたんだね。



 悲しいときは、何も考えていなかったから時が経つのもあっという間。




 桜並木が見えてきたら、なんだかホッとして。



 私は、俯いた。



 涙が溢れてきて、私は顔を隠す。



 泣き顔は見られたくないから。



「翼の…バカ…」



 呟いてみる。




「バカ野郎…っ」