side春
泣きじゃくる奏太を見て
俺は、違和感を覚えた。
いつも余裕で偉そうなあいつが
人前でしかも俺の前で
泣くはずがねぇ....。
そんなことを考えていると
クラスメートの鈴木が
俺を呼んだ。
「お前も来い!」
俺はとっさにそう言っていた。
抵抗されたけど無視だ。
俺は奏太を教室に連れて行った。
「離してください〜(泣)」
そう言って今にも泣きそうな
奏太を見てられなかった。
「だーめ!
俺の奏太に触んな!」
気がついたら抱きしめていた。
奏太も軽くビクッとしている。
てか.....嘘だろ。
む、む、胸が...ある!?
「ちょっとこっち」
そう言って奏太を連れ出した。
「あ、あの〜....」
「お前さ、奏太じゃねーだろ?」
俺がそう言うと焦り出した奏太。
そうして俺はとどめの一言を
発した。
「てか、女だろ?お前」
「へっ!?
なななな何言ってるんですか!?」
すげーどもってるし
涙目だし図星みたいだ。
「嘘つくんじゃねー。
お前....誰だ?」
少々自分と葛藤していたが。
観念したのか女は
素直に答えだした。
「私は....佐々木陽向。
奏太の双子の妹です。」
はぁ!?
奏太の奴、妹なんかいねーって
言ってたじゃねーか。
あいつ嘘言ってやがったのか!?
陽向の話を聞いた所
案の定...奏太の嘘だった。
その証拠に陽向は
俺に女の子の姿を見せて
くれた。
あー。うん超可愛い!!
たぶん可愛い妹を他の奴に
教えたくなかったんだろう。
