「神崎 美冬ちゃん♪
メアド交換できねーかな?」


俺はそんな脳天気な事を
考えていた。


「えーっと....。」

A組...A組は....。

おっ!
あったあった!!



ドンっ

ガタン....

「だ、大丈夫!?」

「......。」


応答なし....か。



おっ?
なんで、あんな飲み物
持ってんだ...?

ダッ、たったた...。

女の子は足早に去って
いった。



まさか
1人で飲むわけねーよな...



迷った末にさっきの
女の子の後をついていく事に。



あれ...?

使ってない空き教室?


「ちょっと!
ジュース買ってくるだけで
どんだけ時間かかってんのよ!?」


えっ?

あれは....


「あんたと違って私は
価値が違うんだから
余り待たせないでよっ!」


神崎 美冬!?



マジか...

天使の笑顔の裏には
こんな素顔が...


「マジ疲れたぁ〜。
ちょっとマッサージ
してー!!」


「お疲れ様っ!
芸能人は大変だねー」



俺が見ているのに気付いた
美冬ちゃんは


「なんか用かよ。
少し可愛いからって
調子のんじゃねーぞ!?」

と睨まれひがまれた..。

「し、失礼しました〜!」

身の危険を感じた俺は
教室を後にした。
(要するに、逃げた。)



「なんだよ。あの女〜」


表は天使なのに
裏では悪魔ってか!?

笑えねぇーよっ!!



....でも
さっきの女の子
大丈夫かな....。


ヤバいかも!!


俺は急いで引き返した。



「あー...!
さっきの佐々木 陽向だっけ?

あの子ムカつくわ...。」

奏太くんが逃げた後
少々、美冬様は不機嫌で
ありました。


「ちょっと!!
私が頼んだジュースと
違うじゃない!!


あはっ!いいわ。
あなたものど乾いてるでしょ?」


美冬はパシりにしている
女の子に近付いた。



バシャッ!!


「どう?おいしかった?」
ニコッ...


美冬は女の子に
自分のジュースをかけた。



「あはははっ!
やめなよぉ。」


美冬の仲間であろう
子達までもがジュースを
かけようとした。


「はい。あげる!」



バシャッ!

「えっ....!?」


「大丈夫?
こんな事されて可哀想に...。

お前ら最低だな。」


俺は女の子をかばって
ジュースをかぶった。



「佐々木 陽向!」


「顔は超タイプだったのに...
残念だな〜。
お前性格ブスすぎっ!」


俺は美冬にそう言うと
あっかんべーをした。

それはもう盛大に...。


「この私がブス...?」
ギロッ


ひぇぇ〜!
怖ぇぇー!!


俺はそんな美冬を無視して
いじめを受けていた
女の子に声をかけた。


「大丈夫?とりあえず
これ使って?」


俺は彼女に近付く...。

「顔あげ....!?」


ドキンッ!!




一瞬
心臓が止まるかと思った。