「いえ、別に無理にとは言いませんけど…」 「そう?」とまた蔭平は黙って山を登った そんな蔭平の顔を横目でちらっと見た胡蝶は悲しそうな表情を一瞬してからまた元の表情に戻った 「右腕の事考えてますのでしょう?」 「!?」と驚いた蔭平は振り向いて胡蝶を見た 「図星ですわね?」 「…うん」 蔭平は苦い顔をして右腕を見た 「次少しでも無理したらもう後は無いって言われたんだ」 目を丸くした胡蝶