枳殻高校に入学して3年目の春を迎えた

相変わらず春になると昇降口の桜は満開で思わず足を止めさせられる

詠は満開の桜の木を見上げながら入学したばかりの頃を思い出していた

「おはようございます詠さん」

華宮が微笑みながら詠の隣に立った

「おはよ華宮」と詠は桜を見ながら言った

しばらく2人は桜を静かに見た

「今年で最後ですね…」

「あぁ」