背中をつかまえると、三辻は少しびっくりして笑った。


「入る?」

同じ言葉に、おれは答えた。


「よろしくお願いいたします」


その答えにりょーかい、と三辻は笑った。

はんぶんこの傘におれは不恰好になりながら入った。
つま先も肩も濡れるけど、悪くはない、そう思った。





fin.