あたしが何か言うよりも前に 「もしかして忘れちゃった?」 目の前の男の子があたしにニコっと笑いかける。 「杏ちゃんのこと忘れたことはなかったよ。」 ここであたしのもしかしては確信に変わった。 だってあたしのこと杏ちゃんて呼ぶ人は1人しかいない。 「ひろ.......くん?」 「ピンポーン正解だよ。久しぶり。」 6歳の時と全然変わらない笑顔がそこにあった。