「すいません。このオフィスまでお願いします。」 お母さんのオフィスの住所を書いた紙を差し出す。 「わかりました、ここからだと45分ぐらいですね。」 サッカーの前半の時間と同じぐらいだ。 休憩の時間があるから、もしかしたら間に合うかもしれない。 悠真には謝らなくちゃいけないよね。 応援に行けるって言ったのに、来ないなんてあたし最悪だ。 ケータイを取り出して、悠真の電話帳を探し出して通話ボタンを押した。