アタシはなんとか授業をやり抜いて
ようやく放課後になった。

部活も入ってない。
こんな暑い日はさっさと家に帰るに
越したことはない。

学校の門を出た所に
よく知った人がいた。

「おー、一華。
おせぇぞー」

兄貴だ。
何故いる(^ω^)

アタシはとりあえず無視した。
普段別の高校に通う1つ上の
高3の兄貴がわざわざアタシを
迎えになんかこない。

「おい、一華無視すんなよ。
この受験の忙しい合間をぬって
迎えに来てやったのによー」
「頼んだ覚えないんだけど」

兄貴はスタスタ歩くアタシに
ついてくる。

「ほら、明後日は壱成の誕生日だろ?
プレゼント割り勘しない?」

そういうことか。
壱成とは3つ下の弟の事だ。

「わかった、付き合うよ」
「やった、流石一華は優しいわー」
「アタシはプレゼントの
3割だけ出そう。あとは頑張れ」
「何だって!!?」

半分なんて出してやらないんだから。

アスファルトの照り返しがさらに
気温をあげている。
アタシはアスファルトを睨みながら歩いた。

「おい、一華、前見ろあぶねぇぞ!!」
「は?」

前を向けばそこには車。

いや、一応ここ歩道だしなんでこんなとこ…

疑問に思った頃には既に
目の前は真っ暗だった。