僕はキミの名を知らない

「あなたが好きな乗り物はなんですか?」

僕が好きな乗り物?車は免許がないはずだし、自転車はタルくて乗ってられない。バイクは危ないけど…大好きだ!

「バイクが大好きです」

「そうだよね。あなたは自分のバイクを持ってるよね。それじゃ、そのバイクの色は何色か覚えてる?」

僕のバイクの色…?色…?ダメだ!頭が割れるように痛い!

「思いだそうとすると頭が痛くなって…」

突然、彼女のグーパンチが僕の頭に飛んできた!

「な、な、何をする!痛いじゃないか!」

「毎回、不思議!こんなポンコツ頭なのに痛覚はあるんだから」

「毎回って、僕はキミに毎回殴られているんですか!」

「そうよ。あなたの治療が遅れているのは私の所為かもしれない。だけど、毎回あなたの発言で私は心を痛めてるんだからお互い様よね!」

「僕が…キミみたいな可愛いコの心を傷つけてる?」

「もう!どうしてそう私を糠喜びさせるのかな!何回聞いても気持ち良い言葉だけど…でもダメ!ちゃんと答えて!あなたのバイクの色は何色だった?」