気合いの華

「へぇ、こんな1年居たら気付いたと思うんだけど…」

俺の頭をガシガシ触って来た。

「やめてくれよ?隣の1組のモンなんだよ?」

「頭パンチのヤツなんて1組に見た事ないなぁ?」

「土曜日パンチにしたばっかだし…」

桜木先輩の妹は少し笑った。

「名前は?」

「か、カズキ。」

「可愛いヤンキーもいるんだね?」

「は?」

俺はよくわからなかったけど…この人と話してると何だか疲れるなぁ。

「マサ兄がミッキーって人となんかあったら、そん時はよろしくね、カズキ?」

「わ、わかってるよ!んじゃ…」

俺はちゃっちゃと席を立って教室を出た。

桜木先輩の妹、気ぃ強いから俺じゃ会話が疲れてしょうがない。

それにしても色々気になる事が多いなぁ…

俺はこんな時間に教室に戻るのも馬鹿馬鹿しく思えたので、仕方なく屋上に行く事にした。

ガチャッ!

「…」

寝てるのかな?

俺はパイプ椅子に座って空を眺めていた。

「桜木先輩達が、ミッキーを…かぁ。」

そう言われると思い当たる節がない訳ではない。

同学年のはずのミッキーには火を差し出して、ルイにはライターを渡すだけ。
ミッキーに対しては無理に仲間を装ってる様にも見えるし…
って事は、俺に対するあの態度もミッキーが関係してる?

そう考えると納得出来る気がした。