気合いの華

「あ!」

「全く…暑くて嫌だね?」

そこにはバイクに跨がったまま俺のバックを持ってる裕美さんが居た。

「ごめんね?ありがと♪」

「あぁ。」

俺はバックを受け取った。

「カズキは…怪我してないの?」

「へ?」

急に何の話しかと思ったが、すぐに理解した。

「まぁ…多少はしてるけど、俺まで入院したらミッキーもどっか行ってるし、川中が留守んなっちゃうよ♪」

俺は冗談混じりでそう言ったが、心配そうに俺を見詰める。

「どこ、怪我してんだい?」

「一応…アバラだけど?」

「まさか折った!?」

「うん…でも大丈夫だよ?ほら!今だって普通でしょ?」

「…無理すんなよ?」

「へ?」

俺を見る眼が、とても悲しそうに見えて逆に戸惑ってしまう。

「私も…昔川畑にアバラ折られた事あるから、わかるよ?」

「うん…ん!?」

ってミッキーに?

「前に言ったろ?何度も言わせないでくれよ。」

「ご、ごめん…」

「それよりさ、通院か何かしてるの?」

「いや、一応ギプスだけ着けてるけど?」

「…安静にしてないと、痕残るよ?」

「へ?そうなの!?」

「うっすらとだけどね…私は入院してたのに、痛みでのたうち回ってたせいで痕が残っちゃってさ?」

口調は笑い話みたいに話してるのに、表情は浮かない顔をしていた。

そりゃそうだ。俺ならまだしも、女の子が身体に傷なんて残ったら、笑い話に出来る様な事じゃない。