気合いの華

「全く…病院前なのにね?」

俺はクスッと笑ってからルイの部屋に急いだ。

コンコン…

ガラッ!!

「ごめんごめん!遅くなった。」

「全く、カズキほんっと遅ぇよ!」

「だからごめんって?」

「良いじゃん!来てくれただけでも感謝しなきゃ?」

「いや、来て当たり前だろ!?」

「だってカズキくんは、羽鳥くんより重傷なんだよ?」

「強調して言うなよ?んで、タバコでも買ってて遅れたの?」

「あっ!!」

「っておいおい…買ってねぇんか。」

ルイはガッカリした声で呟く。
そうだ、買ったけど、裕美さんのバイクん中に俺のバック入れっぱだ…

「ちょっとごめん、電話するね?」

俺はそう言って部屋を出た。

「…あ、もしもし?カズキだけど。うん、バック入れっぱだと思うんだ…いや、別に見ても良いけどたいした物入ってないよ?うん、でも見舞い様のタバコが入ってるんだ…今から?良いの?うん、じゃあ…うん、入り口まで迎えに行くよ?うん、んじゃすぐ行くね!は~い♪」

ガラッ!

俺は顔だけ出してみんなが振り返るのが早いか、話し出すのが早いかぐらい急いで話した。

「ごめんね!ちょっと忘れ物したから取ってくる。すぐ戻るね?」

ルイが何か言おうとしていた様に見えたけど、俺はドアを閉めて早歩きで入り口へと向かって足を進めた。

だって裕美さん、気付いて病院からまだ離れてないらしいから、待たせる訳にはいかないよ…