気合いの華

「ギプス着けてても、上向いたり深呼吸するとダメみたい。」

「だから寝て」
「大丈夫!大丈夫だから?」

「でも…」

心配そうに俺を見つめる中川さんの視線に、俺は眼を逸らしそうになったが、気持ちを切り換えてはっきり言った。

「俺が入院しない理由は、今日が楽しみだったからなんだ…」

それを聞いて、今度は俯かずに、真剣な表情で
「…ありがと。」
と言われて、つい眼を背けてしまった。

「後少ししたら行こっか?」

「無理しないでね?」

「大丈夫だから。」

「なら良いけど…そいえば、ミッキーさんはどこ行ってるの?」

「へ?わかんない。冴島くんもどこ行ってるかまでは知らないらしいよ?」

「バイクあれば遠くまで行けるんだろうね!」

乗りたいって言ってる様に聞こえるんだけど…

「俺はまだ乗れないよ?」

「へ?当たり前じゃん♪」

「…」

後ろに乗せてって意味かと思ったけど…思い違いだったみたい。
俺は雑念を振り切る為に頭を振ってから、リセットしようとした。

「それじゃ、食べ終わったし、行きますか?」

「うん!」

俺達は食べ終えた空のバスケットとコップを片付けた。

「あ!ありがとねぇ♪」

「いえ、とても美味しかったです♪」

それに対し、お母さんは笑顔で返してくれた。

「それじゃ、もう行きますんで!」

「あらそう。気を付けてね?」

「はい、お邪魔しました。」