気合いの華

「そいえば…はい、ノート!」

「へ?」

「私なりに分かりやすく書いておいたから、少し時間かかっちゃったんだ?」

そう言って渡されたノートは、数冊あってふと表紙を見てみると『1学年 国語』と書かれていた。

「もしかして…1年間分?」

「うん、だってどうせ授業は出ないんでしょ?」

「ま、まぁそうだけど…」

でもこれ作るのに、いくら中川さんだからって相当努力したはずだ。
何せまだ習ってない所は自分で勉強して、分かりやすく書いてくれた訳なのだから…

「ありがとね♪でもここまで色々やってくれちゃうと、申し訳ない気が…」

「別にいいよ?私に出来る事なんてこれくらいじゃん?」

「いや、そんな事ないよ?」

「じゃあ…例えば?」

その回答を不安そうに見つめて待つ中川さんの顔を見てドキッとしている自分に気付く。

「い、一緒に居てくれるだけで…うん。」

「うん?」

「いや、俺は満足してるよって意味!」

「そっかぁ♪」

コンコン…

「入るわよー?」

お母さんが入って来たかと思うと、右腕にぶら下げているバスケットから一気に良い香りが漂ってきた。

「一応ミルクティー作ったから…はい、カズキくんのコップも♪」

「あ、すみません!ありがとうございます。」

俺は頭を下げてから、上げる時にはドアから出ていこうとするお母さんが、俺に笑顔で答えてくれたから、自然と緊張がほぐれた気がした。