あ、片岡先輩の部屋だ…

トントン…

「お、カズキか?入れ入れ!」

俺はそのまま部屋の中へと入った。

俺は何て声をかけたら良いか迷いながら突っ立っていたら、気を聞かせてくれたのか、
「悪ぃんだけど、窓開けてくんね?」

と言われて俺は窓を開けてから片岡先輩の方を見た。

「ふぅ…何暗い顔してんだよ?」

そう言って片岡先輩は俺に笑って見せた。

「いや…何話したら良いかわからなくて…」

「安心しろよ?それよりアバラは大丈夫なのか?」

こんな時に俺の心配を…

「まぁぶっちゃけしんどいですけど、ミッキーの元気な姿見てたら居ても立ってもいらんなくって…」

「カズキはスゲーな…先輩がこんなんじゃカッコ悪ぃだろ?」

へ?

「いや!全然っ!そんな事ないっすよ!?」

「これから俺は、どんどん色んなヤツに追い抜かれて来んだろうな…」

「何弱気な事言ってんすか!?まだまだ俺達はこれからじゃないっすか?」

「そうなんだけどな…ミッキーにしたって、カズキや冴島くんにしたって、言い換えりゃみんな後輩なのによ?俺って情けねぇじゃんかよ?」

「…俺に取っては片岡先輩が居たからこそ、やってこれたんすよ?最初はみんなと馴染むのが難しかった俺を気にかけてくれたからじゃないっすか!?だから片岡先輩の弱気なトコなんて見たくないっすよ…」

「ふっ…悪ぃな、今言った事は忘れてくれ?」

そう言って片岡先輩は煙りを吐きながら俺に微笑みかけた。