人間なんてくだらない。世界で存在する生物の中で一番滑稽で愚かな種族は人間だと思う。



人は誰かと群れることを好み、特に女はグループを作り他人の悪口を言う。そして仲間割れ。



ほら。結局一人じゃ何もできないくせにすぐ裏切るんじゃん。



私のクラスだってそうだ。もともと頭の回転の悪い、一人じゃ何もできないようなやつらと一緒にいるつもりはなかったし、必要最低限のことしか話すつもりもなかった。



だが一人でいれば必ず悪口を言われる。慣れてるから別にいいけど私のことを知らないのに勝手に言うのはやめてほしい。



そんな下級で愚かな人間の集まりに新たな女が加わってきた。それが転校生の大蔵綾だ。



大蔵は私とは全く違う性格だった。媚は売るし、キャピキャピだし、自分が少しでも嫌だと思ったら相手を完全に悪者にして仲間を付ける、一人じゃ何もできない、できないくせにやりたがって失敗する、泣き虫。私の嫌いな要素を合わせたらこんな人になるっていう感じだ。



しかも一番ムカついたのは一人で私がいると声をかけてくる。声をかけたがる。同情をかける。







同情なんて自分がその人より上の立場にいるってことを示したいだけじゃない。だから私は同情をかけたくない。








大蔵がクラスに来てから思ったのは私はコイツが大嫌いということだ。






だが私もめんどくさいことにならないように仮面を貼り付けていくことにした。大蔵の前ではあえて笑顔で接する。でもそれは心の底からではなく、笑ってるけど笑ってない、貼り付けた笑顔になるだろうがそれはそれでいいだろう。