私が2歳の時に妹ができた。









私が5歳の時にその妹と父を亡くした。


家族で公園に行っていて私が母と歩いて、妹は父の腕の中だった。


父が妹を抱いて前を歩いていた。その後ろを私と母が歩いていた。


そのとき道路にトラックが突っ込んできて父は妹もろとも引きずっていった。


父も妹も原型を止めてはいなかった。あたりは一面血の海で、幼いながらあまりの衝撃で今でも鮮明に覚えている。









父と妹をなくしてすぐ母は男を家に連れ込むようになった。金のためだ。


その男たちが酒に酔って帰ってくると私は暴力を振るわれる。









私が6歳の時母はその中の男と再婚した。お偉いさんだった。


母は再婚する前から夜になるたび私に暴力を振るってくる。暴言を吐く。よく言われるのは


「あんたが2人の代わりに死ねばよかったのよ」


最初は悲しかった。大好きな母に死ねばよかったと言われたからだ。でもそのうち慣れた。


父になった人には連れ子がいた。私よりひとつしただった。弟ができた。









私が7歳なってすぐ妹が生まれた。母も父も弟も妹に愛情を注ぎ私には見向きもしなかった。


弟は妹が大好きで、父も母もそんな弟が大好きだった。父も母も私に暴力をふるって暴言を吐いていた。








私が8歳になる頃、家には私の居場所はなくなっていた。学校でも喋らなかった私はこの世界から居場所をなくしていた。









私が8歳の時父が知り合いに騙され、大量の借金を抱えた。会社もクビになった。


家の中は常にピリピリしていた。家の前には借金取り。頭を下げる父。裏でなく母。その様子を見ている弟。1歳になった泣き叫ぶ妹。


最終的には八つ当たりは私に来る。











私はそして笑わなくなり、泣かなくなった。











私が9歳の時に、私は孤児院に入った。確かに借金を抱える家では子供３人はきついだろう。


だが私以外は最愛の子供。捨てられるなら私だろう。


だが私は捨てられなかった。私は狂った母に殺されかけたのだ。


逃げて　　逃げて　　逃げた。


母をまいてすぐ私は倒れ、気づいたときには知らない場所だった。


私が倒れていた理由を話すと孤児院に入ることを勧められた。家に帰りたくなかった私はyesを示した。


また追いかけてくることも考えて私は少し遠くの孤児院に連れて行かれた。









私が11歳の時私は孤児院同士の集まりで別の園の園長さんに言われ、2年間暮らした園を出た。


私はその園長さんの養子になるように言われた。別にだお腕も良かった私はyesを示した。


それから私はその園長さんの経営している孤児院『月の園』にある園長さん、木村さんの家で暮らした。


お義父さんがなぜ私を養子にしたのかはわからなかったが別に興味もなかった。








私は13歳。中学生として、普通の生活を送っている。



お義父さんと暮らすうちに仮面をかぶるようになっていた。おそらくお義父さんは気がついていただろうが何も言わなかった。


学校では必要な時に必要な仮面をかぶる。だが基本誰とも接しない。


自分からはなさないし、誰も話しかけてこない。それが楽だった。


だが綾という女が転入してきてからはその綾だけは話しかけてきた。


無理やり遊びにも連れて行かれたし、昼ごはんも一緒に食べた。


めんどくさかったけど嫌ではなかった。

























・・・そう。まずはそんな平和だった今から少し前のことを話そうか。