「恋、その背中の傷は?」
「あぁ、これはたいしたこと
ないよ。あたしも彼氏いたこと
あったんだけどね?束縛が激し
くて、嫌で嫌で別れたくて。
別れ話をしたらいきなり服脱さ
れて、ナイフで切られた。
これでお前は俺のもんだって。」
「最低だな。そいつ。
俺も殴ってやりてぇ。
女の体に傷つけるなんて。」
あぁ。蘭はどんだけ優しい
のだろう。
「そいつはあたしが世話になってる
人にボコされてから刑務所に入っ
た。今もまだ刑務所にいる。」
アイツだけは許さない。
気持ちわるい。
「世話になってる人がボコった
って、強いんだな、その人。」
強いもなにも…
「ヤクザだから」
「は?……え?!」
「蘭。今話したのはあたしの過去
今から話すのはあたしの今。
蘭は、あたしのすべてを聞いて
も一緒にいてくれる?」
蘭は間をあけずに
「当たり前。どんな恋でも受け
止める。俺も恋に救われた。
だから俺も救いたい。」
ありがとう。それだけであたしは
救われてるよ。
「さっき言ったでしょ?あたし
の世話になってる人はヤクザ
あたしね、時期組長。今は、ん~
若頭ってとこかな?」
「え?!恋って強いのか?
てか恋が若頭?!ん?ん?
頭がついていかねぇ」
そんな蘭が面白くて
笑ってしまう。
「それとあたし本当は名字
五十嵐じゃないの。」
「偽名ってこと?」
「そう。ホントの名字だと
バレちゃうからって。」
「じゃ、ホントの名前は?」
