ねぇ…ーありがとぅ。


ーー恋視点ーー

「恋、それ…」

 固まっている蘭。

「ごめんね、こんな汚い背中
 見せちゃって。」

 そういいながらシャツをはおる

「いや、綺麗だよ。
 ちょっと驚いたけど」

 綺麗…その言葉だけで
 救われた気がした

「長くなるけどいい?」

 蘭は頷きながらあたしの
 手を握った

 強く握り返し話しだす


「あたしね、小さい頃は普通の家庭
 で幸せだった。ある日家に帰ると
 いつもいるはずの両親がいなかっ
 たの。家に入ってみたら、家ん中
 がグチャグチャで荒されてた。
 あたしは泣きながら両親を呼んだ
 返事はなくって。探しまわったら
 ……死んでたの。両親が。
 お父さんがお母さんを庇うように
 倒れてて。2人ともズタズタに
 何カ所も刺されてた。
 怖くて動けなくて…そしたら男の
 人が入ってきて、あたしを抱き上
 げて、辛かったねって。家にいこ
 うか、一緒に暮らそう。そう言っ
 た。後から警察の人もいっぱい
 きていた。あたしをひろってくれ
 た人はお父さんの親友だった。
 その人が今、あたしの親がわり」

 少し乱れた息を整えようと
 目を閉じる。

「大丈夫?」

 そういって背中をさすってくれる

 安心する

「んっ、大丈夫。そしてあたしは、
 その人と暮らしはじめた。幸せ
 だったし、楽しかった。高校に
 あがると同時に1人ぐらしを始
 めたの。だから送り迎えはコン
 ビニまで。バレたくなくて。」


「だったらこれからは俺がバイク
 で送り迎えする。」

 優しいな、蘭は

「ありがと。彼方達に怪しまれる
 と思うけどね。」

 2人で笑いあう。