ねぇ…ーありがとぅ。


 泣き出しそうな蘭。

 あたしはゆっくり近づき

 蘭の隣に座り手を握る

 一瞬ビクッとなった蘭だったが
 握り返してくれた

「大丈夫。あたしはここにいる」

 蘭を落ち着かせる

「俺が中学に上がったころ、
 母さんの友達が家に来てた。
 無視して部屋にいこうとした
 けど……ーーっっ
 引っ張られて、襲われた。
 気持ち悪くて気持ち悪くて。
 家を出る決心をした。だけど
 いくあてもなくてウロウロして
 たら、雪豹の初代に拾われた。
 優しく、家へこいと言った。
 それから今もそこへ住んでる」


 どれだけ辛い過去だったのか。

 あたしには蘭の苦しみは
 わからない

「蘭、裏切りって?」

 さっき裏切りが怖いといった。

「あぁ。こんな俺でも中3で彼女
 ができた。あっちが告ってきて
 すごい優しいやつで、信じてい
 いかなって、俺がバカだった。」


 震える蘭。背中をさする。
 大丈夫だよって。

「でも、そいつは俺を賭けに
 使っていた。俺を落とせる
 かどうかって。偶然話して
 るのを聞いた。俺は彼女に
 過去まで話していた。彼女
 は友達に俺の過去を気持ち
 悪いと言っていた。あぁ、
 信じても裏切られるんだっ
 て。女なんか消えろって。
 そう思うようになった」


 すべてを話終わると俯く蘭。

 あたしの手を痛いぐらいに
 握りしめ、まるで

 離れないで、軽蔑しないで

 そう言っているようだった


 あしは強く握られた手を
 無理やり離す

 蘭が傷ついような目であたしを
 見る