「ほんと、大丈夫。
確かにこれは刃で切れた。
理由は言えない。」
そう言って、彼方の手を
握り頬から離す。
「ありがと、彼方。」
ニコッと笑えば少し安心
したような顔をし、ふっ
と笑った。
あ、言わないと。
「あたし姫にはならない。
今日はこれをいいにきた。」
「は?」
「え!?」
「えぇ~なんでぇ~」
面白い反応。
寝ていた蘭って人まで起きて
こっちを見ている。
でも、目を会わせないよう
あたしは蘭って人を見ない。
「あ?なんでだよ。」
彼方が少し顔を歪める。
「あたし、邪魔じゃん。
喧嘩できないし足手まとい
になる。迷惑だけは嫌。」
ほんとの理由は違う。
「んなの関係ねえ」
「そぉ~だよぉ~!!
いてほしいから姫にしたい
んだよぉ~やだょ~」
「なにいってんだよ、恋
だめだぞ、姫になれ♪」
「姫になってくれたら
嬉しいな~。」
ありがたい。だが仲間を
作ってしまうと新たにあたし
の弱みとなってしまう。
それと…
「そこの人はすごく女嫌い
なんでしょ。あたしがいる
ことで、その人が嫌な思い
をするのが嫌。」
