あたし、五十嵐 恋 [イガラシ レン]


  


  今日は入学式らしい。
  
  真新しい制服に腕を通す。
  リボンをゆるめ、第2ボタンまで
  を外してみる。

  チラッと見える、大事なネックレス

  軽く化粧をし、鏡を見る。

  腰まである明るい髪をとかす。
  あたしは自分は嫌いだが、この髪
  だけは気に入っている。

  地毛の髪色は少し金髪に近い。
  癖のないストレート。


  

  「いってきます。」

  

  返事のない家をでる。


  朝ご飯なんて、何年食べてないん
  だろう。

  別にいらないけど。