「あたしね、ホントは五十嵐
 って名前じゃないの。」

「あ?どうゆうことだ」

「あたしのホントの名前は
 篠原 恋だよ。なんで偽名
 だったかわかる??」

 彼方ならわかるでしょ。

「ま、さか?」

「だよ。そのまさか。
 あたし、篠原組の若頭なの。
 ちなみに跡継ぎ、時期組長
 ってとこかな?彼方もでしょ?」

「あ、あぁ。」

「みんな、アホ面だよ」

 ふふっと笑う。

「恋ちゃんが謎多き少女だとは
 わかっていたけど予想以上。
 びっくりなことばっかだよ。」


 でしょうね。

「みんなはこんなあたしでも
 一緒にいてくれるの??」

 いてくれるだろうか…

「こんなあたしなんて言うんじゃ
 ねぇよ。お前は雪豹に必要だ。
 どこへもいくな、ここにいろ」

 ……ーーっっ

 やばい、泣きそう

「れんれんがいなくなったら
 僕生きてけなぁ~い」

「俺もだよ。恋ちゃん。
 いてくれなきゃ困る」

「俺の恋だもんな」

 バカ斎…でも

「…ーッッあ、りがと、」

 また泣いてしまった

 やっぱり彼方か抱きしめてくれる

 安心する

 あたしは抱きしめられた
 まま寝てしまった

 温かい腕に依存してしまいそう