どれくらい
そうしていただろう。

「良かった。
 ここにいたのね」

声がして振り返ると
そこには更紗さんが立っていた。

「泣いているの?」

「な、何でここが・・・」

気まずい。
泣いてるとこ見られちゃった。

「あなたは探しやすいから。
 でも士狼様は
 先に見つけられなかったのね」

そう言われて
また凹む。

士狼にとって
私の存在が大したことないみたいで。

「そ、それよりいいんですか?
 士狼と相模先輩」

「ええ。
 今士狼様は
 それどころじゃないから」

そう言って
更紗さんは私をじっと見た。

「・・・何ですか?」

少しだけ言葉がきつくなってしまう。

「千尋が
 興味を持ったのがわかる気がする」

「え?どういう・・・」

そう聞き返そうとした時だった。

「ひより!」

士狼が走ってくる。