「更紗。
 何で出てきたの」

少しだけすねたように
相模先輩が言う。

「申し訳ありません。
 ですが無駄に戦う必要は
 ないのです」

更紗と呼ばれた少女は
相模先輩を振り向いて
再び士狼に向き直った。

「お久しぶりです、士狼様」

丁寧に頭を下げる更紗さんに
士狼は走り寄る。

「更紗、今まで何をしていたんだ。
 探したんだぞ・・・って何をする」

肩を抱こうとした士狼の手を
相模先輩が払いのけたのだ。

「別に」

相模先輩はいつもより
つっけんどんな返事をした。

「まあいい。
 お前の親も心配している。
 一度戻るぞ」

そう言って
更紗さんを連れて行こうとする
士狼を相模先輩が止めた。

「更紗は帰らないよ」

「お前には関係ない。
 どけ」

更紗さんを引き寄せて離さない
相模先輩に士狼は眉を吊り上げる。

「やはり、
 お前は消したほうがいいようだな」