爆風が
私のところへも襲う。

とっさに目をつぶると
いつの間にか士狼に
庇われていた。

驚いて固まってたのに
いつの間に・・・。
でも助けに来てくれたことが
少し嬉しかった。

「大丈夫か?」

「う、うん・・・。
 それよりさっきの子は大丈夫?」

そう聞くと、
士狼は苦虫を噛み潰したような顔をした。

「これくらいなんともない。
 ・・・あいつなら」

少しずつ巻き上がった
砂埃が晴れていく。

その中心には
傷どころか汚れ1つつけていない
少女が立っていた。

ものすごい美少女だ。
黒くふわふわした髪に
大きな瞳。

だけどその大きな瞳は
人には絶対ありえない真紅で。

その真紅の目は
士狼にまっすぐ注がれていた。