激しいぶつかり合いに
何が起こっているのか
正確にはわからない。

でも、
少しずつ士狼が押しているのがわかった。

「・・・・なかなか
 やるじゃないか」

肩で息をしながら
深雪先輩が言う。

「人間界にいすぎで
 もうろくしたんじゃないか?」

そう言う士狼は
余裕の表情で笑った。

「あの男とは主契約じゃないな?
 他にいるんだろう」

その問いに深雪先輩は
チッと舌打ちする。

「吐け。
 さもなくばあの術者を殺す」

「深雪。言わなくていい」

相模先輩がいつになく真剣な表情で言う。

「ほう。
 では死ね」

士狼が相模先輩に向かって
今までより大きな炎を投げつける。

危ない、そう思ったときだった。

「お止めください、士狼様!!」

炎と相模先輩の間に
一人の少女が現れた。

「っ?!更紗!」

士狼が驚くと同時に
炎は少女を巻き込んで爆発した。