「君は炎。
 僕は風だから
 相性は悪くないね」

「どっちが強いか、だ」

士狼は両腕に
炎をまとわせた。

そしてそれを振り払うように
先輩へと投げつける。

先輩は右腕を前にかざして
渦巻いた風で炎を受け止める。

ドンっ

大きな音を立てて
風と炎は消え去った。

「互角かぁ。
 ま、これじゃね」

そう言って
先輩はパチンと指を鳴らした。

すると
地面に奇妙な文字の描かれた
円が現れる。

「僕の本分は
 召還だからね」

円から光が放たれ柱のようになる。

まぶしくて目を閉じる。

やがて光が収まって
やっとのことで目を開けると
そこに立っていたのは
とても意外な人物だった。