「魔術師って知ってる?」

固まってしまった私に
先輩は語りかける。

答えないでいると

「警戒されちゃったかな?」

そう言って笑う。

「僕は悪魔と契約して使役する者」

悪魔と契約。
それって・・・。

「そう、君と同じ。
 でもちょっと違うね。
 僕は自ら悪魔を召喚するんだ」

「どうしてそんなことを・・・」

私が尋ねると、

「こいつの話しなぞ聞かなくていい」

と士狼が止め
そのまま戦闘態勢を取る。

「そう。
 ならお手並みを拝見させてもらおうかな」

さっと先輩が右手を上げると
腕に小さな竜巻のような風が現れる。

それは次第に周りの空気を
巻き込んで大きくなった。