ゴォッ

大きな炎が
相模先輩を襲う。

「っと!」

間一髪でそれを避けた先輩は
炎が飛んで来た方を向く。

そこにははきっりと
怒りを浮かべた士狼が立っていた。

「騎士のおでましかい?
にしては乱暴だね。
ひよりちゃんにあたったら
どうするの?」

肩を竦める先輩を士狼は睨みつける。

「さっさとそいつから離れろ」

「はいはい。
 君の騎士はせっかちだね」

相模先輩は
私に向かって言うと
ぽんと士狼のほうへ背中を押す。

士狼は
悪戯っぽく笑う先輩から
私を守るように立つ。