気まずい雰囲気になっちゃった・・・。

そのとき
昼休みの終わりを告げる
チャイムが鳴る。

「この話は終わり!
 さ、莉沙教室戻ろっ」

「う、うん」

「おい、待てよ!」

まだ何か言おうとする
寛人を置いて
莉沙の腕をとって教室へ向かう。

「ひよりちゃん。
 笠原君心配して言ってるんだよ?」

腕を引っ張られてついてくる
莉沙がもう一度言う。

「・・・わかってるけど」

「でもひよりちゃんにもいろいろ
 あるのはわかるから。
 ちゃんと大変になる前に言ってね?」

この子のあんまり
踏み込んでこないところが好きだ。

寛人は幼馴染歴が長いから
心配しすぎる。
ただでさえ自分の気持ちの変化に
戸惑ってるんだから。

あんまり否定的な
意見ばかり聞きたくない。

「・・・ありがとう。
 何かあったらちゃんと言うから」

それだけ、返した。