「それはともかく」

相楽先輩がこちらを向く。

「元気になってよかった。
 また朝練でね」

そう言うと去っていく。

「おい、あいつ何なんだよ!」

一方的に話を終了されて
寛人は怒る。

「一体いつ仲良くなったわけ?」

つめよられて仕方なく話す。

「柔道部の朝練をのぞいてたら
 声をかけてくれて
 朝部活に参加させてもらえるように
 口をきいてくれたのよ
 夕方はできないから」
 
「夕方だめって
 あいつに言われたのかよ?」

私の一言に
寛人の顔が一層険しくなった。

「やっぱりいろいろ無理
 させられてるんじゃないのか?」

「そんなことないって!
 今だって病み上がりだからって
 仕事も休ませてもらってるし」

「そんなの当たり前だろ!
お前まだ学生なんだぞ」

確かに最初は選択肢もなかったから
無理やりやらされてる感じだった。

でも今はそれだけじゃない自分がいる。

士狼に対しても
反感だけじゃない気持ちがある。

寛人の言い方に
少しムッとして

「大丈夫だってば。
 今はこれでいいの!」

って言い切るけど、
寛人は納得してないみたい。
なんでこんなことで寛人と
喧嘩しなくちゃいけないの・・・?