「なんでそんなことになってて
 俺らに言わないんだよ?」

士狼の館から
また家に戻って
2人に事情を説明する。

まあ、悪魔云々はやっぱり省いてだけど。

当然のことだけど
寛人が怒る。

「そうだよ。
 そんな風に倒れる前に
 何かいい方法考えられたかもしれないのに」

莉沙もため息をついて言う。

「そいつにこき使われてんだろ。
 出るとこ出れば何とかならないか?」

「いいのっ。
 元はと言えば父さんが悪いんだし。
 それにやってみると結構やりがいがあるんだよ」

必死にフォローする。

「それにしたって
 倒れるなんてストレスだろ?」

「雨に濡れて
 そのままにしたのがいけないんだって」

そんなふうに2人相手に弁解していると、

「ひよりっ。
 まだ本調子じゃないのに
 勝手に家をでるな・・・」

士狼が勝手に上がって来る。

そして2人を見て立ち止まった。

「誰だ。こいつらは」

「あーお前!!」

寛人が叫んで士狼を指さす。

「知り合いなの?
 ひよりちゃん」

・・・なんてタイミングが悪い。