だんっ!

思い切り畳に叩きつけられる。

「つっ」

いけない、ぼんやりしてた。

「佐藤!
 ぼーっとしてるなら出ろ。
 怪我するぞ」

深雪先輩に怒られてしまった。

とぼとぼと畳から出ると

「どうしたの?」

相模先輩が声をかけてくれる。

「ちょっと頭冷やしてきます」

せっかく声をかけてくれたのに
これじゃまともに話もできない。

「ちょ、外は雨だよ!?」

そう驚く声を後に
外へ飛び出す。

火照った体に
しとしとと降る雨は気持ちいい。

でも同時に手首がじんじんと痛み出した。

「ひねったかな・・・」

自分のこころがわからない。
相模先輩と話をしたら浮上するはずなのに。