「もっとないのか?」

期待をした目を向けてくる。

「あ、あるけど。
 結構甘いでしょ」

いつもより砂糖を多めに入れたのに。
甘党の私でも甘いと思う。

「これくらいでちょうどいい」

ほんとに甘いもの好きなんだ・・・。

残っていたプリンを
半分食べた士狼は、

「これは明日にとっておこうか。
 いや、でも・・・」

と本気で悩みだす。

本当にこの人士狼かしら?
別人みたいなんだけど。

「そんなに好きなら
 またいつでも作ってあげるわよ」

なんの気なしにそういうと。

「本当か?!」

ぱっとあげる顔はまるで
大好きなおもちゃを見つけた犬のよう。

か、かわいい・・・。

不覚だわ。
士狼相手にそんなこと思うなんて。

「宗像はスイーツは作ってくれないんだ」

ほくほく顔で士狼は言う。

結局その日から
私はスイーツ作り担当という
仕事が増えることになった。